家庭用金庫の種類を解説
家庭用金庫と一口に言っても、その種類は様々です。目的や機能によっていくつかのタイプに分けられており、適切な金庫を選ぶためには、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。ここでは、家庭用金庫の主な種類について解説します。最も一般的な分類は、「耐火金庫」と「防盗金庫」です。「耐火金庫」は、火災発生時に内部の温度を一定時間低く保ち、収納物を炎や熱から守ることを目的とした金庫です。JIS(日本産業規格)によって定められた耐火性能基準があり、「一般紙用」と「磁気媒体用」に分かれています。一般紙用は、書類などが燃えずに済むように設計されており、30分、1時間、2時間といった耐火時間が表示されています。磁気媒体用は、CDやDVD、HDDなどのデータが破損しないよう、より低い温度に保つ性能を持ちます。家庭用金庫として広く普及しているのは、書類保護を目的とした一般紙用耐火金庫です。「防盗金庫」は、ドリルやハンマーといった工具を使った破壊行為や、バーナーを使った切断といった盗難手口に対する抵抗力を持つ金庫です。耐火金庫に比べて壁が分厚く、非常に頑丈に作られています。JISによって定められた試験に合格した「耐工具破壊性能」の表示があり、特定の工具による破壊に15分以上耐えられるか、30分以上耐えられるかといった性能が示されています。防盗金庫は非常に高価で重量もあるため、一般家庭で設置されるケースは稀で、主に店舗やオフィスで使用されます。家庭用としては、耐火性能と併せ持った「耐火防盗金庫」を選ぶことがありますが、これもかなりの重量と価格になります。